イライラしてしまった夜、泣きたいのはこっちだって思うとき。
でも、“言葉のかけ方”をちょっと変えるだけで、心がふっと軽くなることがあります。
「また怒っちゃった…」そんな夜、ひとり反省していませんか?
年子育児や2人育児の真っ只中。
寝かしつけが終わったあと、やっとの思いで座って、
ふと、さっきの自分を思い出して落ち込む。
「また強い口調で言っちゃったな…」
「もっと優しく接したいのに、できなかった」
そんなふうに、自分を責めてしまうこと、ありませんか?
実は、介護の現場で学んだ“声かけ”が育児にも役立った
私は介護福祉士として現場で働いてきました。
高齢者のケアの中で、「伝え方次第で反応がまったく変わる」という経験をたくさんしてきました。
そしてその技術は、育児にも応用できると気づいたんです。
もちろん子どもと高齢者は違います。
でも「安心したい」「認められたい」という根っこは、どこか通じるところがある。
今日は、育児の中で役立つ“やさしい言葉かけ術”を、5つ紹介します。
「もう!」と言いかけたときの魔法のひと言
イライラしたときに、つい出そうになるのが「もう、いい加減にして!」。
でもそんなときこそ、深呼吸してこう言い換えてみてください。
「一緒にやってみようか?」
「どうする? 相談して決めようか」
“責める”より“寄り添う”言葉に変えるだけで、
子どもが落ち着くこともあります。
「だめ!」の代わりに「こっちの方がいいね」
否定の言葉ばかり使っていると、子どもも自己肯定感が下がりがちです。
代わりに、“選び直し”を促す言葉を使ってみましょう。
×「そんなことしちゃだめ!」
○「それより、こうした方が気持ちいいね」
行動を否定せずに、選択肢を差し出す。
小さな工夫ですが、子どもの反応が変わることがあります。
「早くして!」ではなく「あと何分で出発しようか?」
時間がないとき、思わず「早く!」が口癖になっていませんか?
でもそれが逆に、子どもを焦らせて動けなくしてしまうことも。
「あと5分で出発するね」
「どの順番で準備する? 一緒に決めよう」
子どもにもペースがあります。
“一緒に考える”スタンスをとると、協力してくれることが増えます。
「ちゃんとして!」のかわりに「今できてること」を伝える
子どもがぐずっているとき、つい「ちゃんとしなさい!」と強く言いたくなります。
でも、それは抽象的すぎて伝わらないことも多いんです。
その代わりに、できていることを見つけて言葉にしましょう。
「靴をそろえてくれてありがとう」
「最後まで話を聞こうとしてくれて嬉しかったよ」
認められた実感は、子どもの行動を変える大きな力になります。
自分に余裕がないときは、まず「言葉を減らす」
疲れているとき、イライラしているとき、
言葉が多くなればなるほど、関係はこじれやすくなります。
そんなときは、
無理に声をかけようとせず、目を見て、そっと手を添えるだけでも十分です。
「言葉にする前に、呼吸を整える」
「今は“伝える”より“そばにいる”を選ぶ」
そんな引き算のコミュニケーションも、とても大切です。
NGワードとやさしい言い換え例(育児ver)
NGワード | やさしい言い換え |
---|---|
「なんで言うこと聞けないの?」 | 「困ってることがあるのかな?」 |
「また同じことして!」 | 「どうしたら上手くいくか、一緒に考えようか」 |
「いい加減にして!」 | 「そろそろ落ち着こうか。深呼吸してみよう」 |
「うるさい!」 | 「静かな時間にしようか」 |
言い換えのコツは、「否定」から「共感」へのシフト。
子どもも大人も、否定されるより“受け止めてもらう”ほうが落ち着くのは同じです。
まとめ:言葉は“やさしさを伝える道具”
育児は、感情との戦いです。
思い通りにいかない毎日の連続。
でも、言葉ひとつで空気が変わる瞬間はたしかにあります。
そして何よりも、
「自分にやさしい言葉をかけられるか」も、とても大切です。
「今日もよくやったね」
「怒っちゃったけど、立て直そうとした私はえらい」
「完璧じゃなくても、十分がんばってる」
そんな言葉を、自分自身にも届けてあげてください。
今日のあなたの声が、子どもを安心させ、あなたの心も軽くしますように。
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